Metakazuプロフィール&朗読歴

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1952年ディック23歳時のデビュー作。火星で捕獲された動物ウーブが宇宙船内で驚くべき出来事をもたらす。結末がさすがの切れ味。

「ウーブ身重く横たわる」
(ディック傑作集 1『パーキー・パットの日々』)

フィリップ・K・ディック 著
大森望 訳
ハヤカワ文庫
上記は絶版。同作は現在『アジャストメント―ディック短篇傑作選に収録。
★2025年3月6日
文ノ旅朗読団 第三十七夜SPECIAL GUEST SPECIAL LIVE「宇宙SF特集」にて

あらしのあとで

難破船を発見した男の話。大自然への敬意。無力な自分との対峙。これでもか、これでもか、これでもか、のヘミングウェイ節に唸る。

「あらしのあとで」
(短編集『勝者には何もやるな』)

アーネスト・ヘミングウェイ 著
井上謙 治
荒地出版社
上記は絶版。同作は現在「ヘミングウェイ全短編2 高見浩訳 新潮文庫」に収録
★2025年3月13日
趣味の朗読会第十七回にて

郵便配達のパイロットとしての経験を綴ったエッセイ。揺さぶられたのは遭難事故から生還した僚友を称える文章。我々は何のために生きているのか、ストレートなメッセージがいまの時代、ありがたい。

『人間の土地』
サン=テグジュペリ 著
堀口大学 訳
新潮文庫
★2025年3月27日
文ノ旅朗読団 第三十八夜SPECIAL GUEST SPECIAL LIVE「エッセイ特集」にて


亀と子供だから助けた。荒くれた漁師が病気の乞食をいじめていたら、顔をしかめて通り過ぎていただろう。風流を気取る上流階級の人々への痛烈な風刺。

浦島さん
お伽草紙・新釈諸国噺

太宰治 著
講談社文庫
青空文庫
★2025年3月2日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

★2025年2月13日
文ノ旅朗読団 第三十六夜SPECIAL GUEST SPECIAL LIVE「太宰治特集」にて

物語を包む神秘の濃度が一気に高まる場面。かつて女性専用のアパートだった標本室。使われなくなった浴場で真夏の夕刻、白衣の標本技術士と主人公の21歳の女性の間に起きた出来事は。

薬指の標本
小川洋子 著
新潮文庫
★2025年3月30日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

★2025年2月20日
趣味の朗読会第十五回にて

アメリカ人の妻が窓から見つけた猫と最後に登場した猫ははたして同一か。不条理を斬新なタッチで際立たせた物語。今も語り継がれる永遠の謎。

雨のなかの猫
(短編集『われらの時代に』)

アーネスト・ヘミングウェイ 著
北村太郎 訳
荒地出版社
「ヘミングウェイ全短編1 高見浩訳 新潮文庫」
★2025年2月27日
趣味の朗読会第十六回にて


根付職人が夢を見る。頭が狐、体が女人の妖怪が怪しげに舞う。職人はすぐさま隣に寝ていた女房を…

狐火
AI 「Claude」生成
本サイト 掲載
★2025年1月26日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

深夜、夫とベッドを共にしていた彼女は何者かの侵入を察知し、妄想をふくらませる。いつしかその矛先は自分のダメ人間ぶりへと発展していき

階段の男
(『いちばんここに似合う人』より)

ミランダ・ジュライ 著
岸本佐知子 訳
新潮クレスト・ブックス
★2025年2月16日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

★2025年1月30日
趣味の朗読会第十三回にて

プールのない小さな街で老人3人の水泳コーチとなった主人公は塩水を入れたボウルを用意する。

水泳チーム
(『いちばんここに似合う人』より)

ミランダ・ジュライ 著
岸本佐知子 訳
新潮クレスト・ブックス
★2025年2月23日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

★2025年2月6日
趣味の朗読会第十四回にて


夢十夜

亡くなった女を埋め100年間待つ男の話。静かな星空の下で滴がこぼれ落ちる音と男女ふたりの息遣いが聴こえてくる。

夢十夜:第一夜
夏目漱石
角川文庫
★2023年12月31日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

いまではもうおとぎ話のような思春期の少年の妄想。僕もそうだった。

どきどき、びくびく
クレイグ・マクガーヴィー 著
小川高義 訳
(『SUDDEN FICTION 超短編小説70』ロバート・シャパード/ジェームズ・トーマス 編 文春文庫より)
★2025年1月19日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

どうしようもない人生にほぼやけっぱちになりながらも、どうにか道を開こうともがく中年女性が、やみくもな恋とか愛とかの向こうにあるものを発見する物語。

ロマンスだった
(『いちばんここに似合う人』より)

ミランダ・ジュライ 著
岸本佐知子 訳
新潮クレスト・ブックス
★2025年2月2日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

★2025年1月23日
文ノ旅朗読団 第三十五夜SPECIAL GUEST SPECIAL LIVE「愛の物語特集」にて


人類最後の到達エリアにして流転の終着駅。敗者の楽園は奇妙に弾けていて僕も手を取り踊るのでした。

パタゴニア
ブルース・チャトウィン 著
芹沢高志・芹沢真理子 訳
めるくまーる社
★2025年1月5日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

実際に岩手であった毒蛾大発生。駆除のための灯火管制の下、鏡面の連なる床屋ではアセチレン燈が焚かれ部屋中が青く染まる。賢治の魅力がつまったロマンと諧謔の短編。

毒蛾
宮沢賢治 著
宮沢賢治 インドラの網
別役実編
日本幻想文学集成
国書刊行会
青空文庫
★2025年1月9日
文ノ旅朗読団 第三十四夜SPECIAL GUEST SPECIAL LIVE「宮沢賢治特集」にて

バッグをひったくろうとした少年は持ち主の大きな女に家へと連れていかれ…

ありがと、おばさん
ラングストン・ヒューズ 著
小川高義 訳
(『SUDDEN FICTION 超短編小説70』ロバート・シャパード/ジェームズ・トーマス 編 文春文庫より)
★2025年1月12日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて


本人あとがきによると小説3本目の本作で、小説家として現わすべき「おののきがからだにつたわって」「小説が見えて来た」。「他愛のない無邪気なもの」と謙遜するも、僕をつかんで離さない。

或る少女の死まで
室生犀星 著
岩波文庫
青空文庫
★2024年12月12日、2025年1月16日
趣味の朗読会第十一回、第十二回にて

AIと全体主義が台頭する現代もまた「私」という大切な存在が危機に陥っている時代。一気読み必至の本。

われら
ザミャーチン 作
川端香男里 訳
岩波文庫
★2024年12月19日
文ノ旅朗読団 第三十二夜SPECIAL GUEST SPECIAL LIVE「ディストピア特集①」にて

すばらしい新世界

蛮人(ばんじん)保存地区で保護されたジョンはサヴェジ野蛮人と呼ばれ人々の好機の対象に。彼は世界に十人しか存在しない新世界の支配者のひとりである西欧駐在総統のムスタファ・モンドと議論する。物語は圧巻の「幸福論」へ。

すばらしい新世界
ハックスリー 著
松村達雄 訳
講談社文庫
★2024年12月26日
文ノ旅朗読団 第三十三夜SPECIAL GUEST SPECIAL LIVE「ディストピア特集②」にて


「花と申すも、去年咲きし種なり」故にその種を蓄えよと説く。「花は心、種は態(わざ)」。技の数が心を花開かせる。

風姿花伝
世阿弥 著
野上豊一郎・西尾実 校訂
岩波文庫
★2024年11月10日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

画家が逗留した宿で奔放な女に翻弄される。6年前に発表された 泉鏡花 『高野聖』と、さらに後の江戸川乱歩『火星の運河』と符合。朗読は、水中の草、椿、ミレーのオフィーリア、 非人情な旅館の娘、ラオコーン、手鏡、鏡が池。文豪怒涛の心象風景。

草枕
夏目漱石 著
岩波文庫
青空文庫
★2024年11月14日
趣味の朗読会第十回にて

文学ってのは狂気の掘り起こしであり、その当事者に自分を重ねて狂う朗読は天にも昇る気持ちよさ。

火星の運河
江戸川乱歩 著
春陽文庫/絶版(画像)
青空文庫
★2025年2月20日
趣味の朗読会第十五回にて
★2024年12月5日
文ノ旅朗読団 第三十一夜スペシャルゲストスペシャル「江戸川乱歩特集」にて
★2024年12月29日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて


原題は『What The Shepard Saw(善き羊飼い[キリスト]が見たもの)』。驚くべき人間模様。幼馴染の大尉との逢引きを夫の侯爵に疑われた夫人が事の次第を自ら打ち明ける場面。はたしてこれは無垢なのか苦しい言い訳なのか。心理の深読みに心が躍る。

月下の惨劇
トーマス・ハーディ 著
森村 豊 訳
岩波文庫
★2024年10月31日、17日、3日
趣味の朗読会第八回、第七回、第六回にて

機知にあふれた短編集。

「組織を作ろう」「馬子にも衣装」「小さな灯」「空想について」「引っ越しビジネス」チャペック小品集 こまった人たち より)
カレル・チャペック 著
飯島 周 編訳
平凡社
★2024年11月14日、7日
趣味の朗読会第十回、第九回にて
★2024年11月3日、10月27日、6日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

旅の僧が山中で蛇、蛭に悩まされる。そして辿り着いた人家には妖しい婦人が。その結末になぜ彼だけが、の疑問が沸く。答えは文中のあるひと言に。

高野聖
泉 鏡花 著
集英社文庫
青空文庫
★2024年10月20日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて


弟の貧しい友人の母の死。憧れだった女先生の死。筆者は思いがけないものを記憶している。

ねずみ花火(『父の詫び状』より)
向田邦子 著
文春文庫
★2024年8月22日
文ノ旅朗読団第二十六夜にて

「『姦通の家』は、あの本のなかではめずらしくユーモラスな章ですよね。ブラインドとカーテンのところは訳していて楽しかったです。私がとくに好きなのは第四十五章『たんすの家』です。「宿題はやったのかと妻が尋ねる」というところ、何度読んでも泣きそうになってしまう……」
引用:訳者栗原俊秀氏のXポスト https://x.com/kuritalia/status/1834404652114465164
どちらも朗読しました。

家の本
アンドレア・バイヤーニ 著
栗原俊秀 訳
白水社
★2024年9月19日
趣味の朗読会第五回にて

★2024年9月12日
文ノ旅朗読団第二十七夜にて

暗く、重い、満州引き上げのノンフィクション。だからこそ生きる糧となる一冊。

流れる星は生きている
藤原てい 著
偕成社文庫
★2024年9月26日
文ノ旅朗読団第二十八夜にて


自分はいったい何をして生きてきたのかと悔やむペレイラは、また僕でした。上半期一の推し本。

供述によるとペレイラは……
アントニオ・タブッキ 著
須賀 敦子 訳
白水Uブックス
★2024年7月25日
文ノ旅朗読団第二十四夜にて

1284年6月26日、130人の子どもたちが忽然と姿を消した伝説の事件。13世紀欧州の底辺を生きた庶民の実態を探りその真相に迫る。

ハーメルンの笛吹き男ー伝説とその世界
阿部謹也 
ちくま文庫
★2024年7月21日
日曜夜の持ち寄り朗読会にて

姉弟を紋切り型の嫌味な成功者ではなく人間味あふれる遺族として描く小説家の見識。

喪の仕事掃除婦のための手引き書 より)
ルシア・ベルリン 著
岸本 佐知子 訳
講談社文庫
★2024年8月8日
文ノ旅朗読団第二十五夜にて

★2022年8月23日
語り合おう集会第16回開催


家族における「長男」よりも、単に「娘」であることの悩みの深さに思い当たる。女性のポジションで整理してみて痛感したこと。「娘」の存在の危うさ。それゆえの自我への依存。あらゆる人生を活写した「百科全書」に改めて唸る。

百年の孤独
G・ガルシア・マルケス 著
鼓 直 訳
新潮社
★2024年6月13日
文ノ旅朗読団第二十一夜にて

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★2024年9月25日
Spotify-Podcast 喫茶しおり第五会配信
―女たちの百年の孤独、そしてアマランタ の呻き―

印象的な狂気の描写。何に復讐される。何を書こうとした。遺稿を加え完成された、彼の最期に至る謎に迫ることができる短編。

歯車
芥川 龍之介 著
岩波文庫
★2024年6月27日
文ノ旅朗読団第二十二夜にて

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★2024年7月6日
Spotify-Podcast 喫茶しおり第四会配信

★2022年10月18日
語り合おう集会第24回開催

炎天下の芝生から一転して時の止まった部屋へ。記憶の脈絡と意味を取り戻すためにその中年女性は。

午後の最後の芝生(『中国行きのスロウ・ボート』より)
村上 春樹 著
中央公論社
★2024年7月11日
文ノ旅朗読団第二十三夜にて


少年ポールと姉エリザベート、慕う友人ジュラ―ル、ポールに恋するアガート、そして畏敬の友ダルジュロス。狂気を帯びた青春群像が、100年経っても鮮やかに紅い。

恐るべき子供たち
ジャン・コクトー 著
鈴木 力衛 訳
岩波文庫
★2024年4月11日
文ノ旅朗読団第十七夜にて

ある老婆が自分と同じ名前の「ミリアム」 という少女に出会い…21歳で書き上げた傑作。

ミリアム
〈短編集「夜の樹」より〉
トルーマン・カポーティ 著
瀧口直太朗 訳
新潮社
★2024年4月25日
文ノ旅朗読団第十八夜にて

ヘッダーアイコン

★2024年5月8日
Spotify-Podcast 喫茶しおり第二会配信

別れによって不信と嫉妬と怒りにまみれた男。でも情事を終わらせたのは裏切りではなく愛だったというド直球な恋愛小説。

情事の終り
グレアム・グリーン 著
上岡 伸雄 訳
新潮文庫
★2024年5月23日
文ノ旅朗読団第二十夜にて

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★2024年5月28日
Spotify-Podcast 喫茶しおり第三会配信


第二次世界大戦という歴史の節目の前後が対峙する恋愛小説。互いに異邦人とならざるを得ない二人が「朗読」でつながる。激しく生々しい愛欲の後、主人公は彼女の本当の貌に直面する。翻訳モノはちょっと、なんて言ってる場合じゃない“本当”が描かれている。

朗読者
ベルンハルト・シュリンク 著
松永 美穂 訳
新潮クレスト・ブックス
★2024年3月4日
VRChat文ノ旅朗読団ワールドにて

コジマの父への思い。そして“美しい弱さ”とは。いじめの構造から人間の生きる価値が浮かび上がる。でも、主人公は…深い物語です。

ヘヴン
川上 未映子 著
講談社文庫
★2024年3月14日
文ノ旅朗読団第十五夜にて

ある日盗賊は美しい女房を奪い取る。しかしなぜか怪しい気配。繰り広げられる地獄絵図。静謐で幻想的なラスト。

桜の森の満開の下
坂口 安吾 著
講談社文芸文庫
★2024年3月28日
文ノ旅朗読団第十六夜にて


14歳の主人公は鏡の前で片思いの彼女を想像し、話しかける。「男ってのは、彼女にクリスマスプレゼントを贈りたがる生き物なんだよ」
ダメダメなのに愛おしい少年と家族の物語。物語ラスト4行がまたいいの。

バンディーニ家よ、春を待て
ジョン・ファンテ 著
栗原 俊秀 訳
未知谷
★2023年12月14日
文ノ旅朗読団第十一夜にて

自意識過剰で妄想癖が激しく、気が弱く、神に誓い真っ当な人間でありたい若者が恋をする。

塵に訊け
ジョン・ファンテ 著
栗原 俊秀 訳
未知谷
★2024年1月11日
文ノ旅朗読団第十二夜にて

ムーミン の作者によるリアルな人間ドラマ。実利主義のカトリと親切を装う絵本作家アンナがあなたの在り様を問う。

誠実な詐欺師
トーベ・ヤンソン 著
冨原眞弓 訳
筑摩書房
★2024年1月25日
文ノ旅朗読団第十三夜にて


妻を亡くした老人の前に、ある日1匹の白い犬が現れます。彼はその犬を伴い妻と出会った高校の同窓会へ。

白い犬とワルツを
テリー・ケイ 著
兼武 進 訳
新潮社
★2023年10月26日
文ノ旅朗読団第八夜にて

★2023年10月29日
日曜夜の持ち寄り朗読会第258回にて

「江月照松風吹 永夜清宵何所為」夜もすがら変わらぬ美しい景色である。自然はあるがままで自他を清めている。その真意は。

雨月物語/巻之五 青頭巾
上田 秋成 著
鵜月 洋 現代語訳・注
角川文庫
★2023年11月9日
文ノ旅朗読団第九夜にて

★2023年11月19日
日曜夜の持ち寄り朗読会第261回にて

胸に迫る喪失の物語。哲哉と沙耶伽の章で物語は新たな切り口を。読み応えのある一冊。

八事の町にもやさしい雪は降るのだ
宮野入 羅針 著
幻冬舎ルネッサンス
★2023年11月23日
文ノ旅朗読団第十夜にて


息子の誕生祝いにケーキを依頼した母とパン屋主人の物語。

ささやかだけれど、役にたつこと
※現在は「大聖堂 (村上春樹翻訳ライブラリー)」に収録
レイモンド・カーヴァー 著 
村上 春樹 訳
中央公論社
★2023年9月28日
文ノ旅朗読団第六夜にて

死んだら星になる。星になったら小さな王様になる。

ちいさなちいさな王様
アクセル・ハッケ 著
那須田淳・木本栄 訳
講談社
★2023年10月12日
文ノ旅朗読団第七夜にて

★2023年10月8日
日曜夜の持ち寄り朗読会第255回にて

墓掘り人夫の主人公。通りかかったご婦人を大いにもてなす。

サイラスおじさん
H.E. ベイツ 著
大島 一彦 訳
王国社
★2023年10月12日
文ノ旅朗読団第七夜にて


瞼の開閉以外すべての身体的自由を奪われた元編集長のエッセー。父の日、初夏の海岸での娘と息子と妻との触れ合いを綴った「カーテン」の章を朗読。絶望に包まれた愛しさが。

潜水服は蝶の夢を見る
ジャン・ドミニック・ボービー 著
河野 万里子 訳 
講談社
★2023年8月24日
文ノ旅朗読団第四夜にて

物語の主人公はカケイさんという認知症を患う女性。彼女はある日、娘の道子の事を思い出します。タイトルがなぜ「ミシンと金魚」なのかそれが解き明かされる場面。風化しない悲しみ。でもやがて穏やかなラストが。

ミシンと金魚
永井 みみ 著
集英社
★2023年8月24日
文ノ旅朗読団第四夜にて

★2023年8月27日
日曜夜の持ち寄り朗読会第249回にて

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★2024年4月20日
Spotify-Podcast 喫茶しおり第一会配信

30代半ばの女性が20代前半の男性に恋をし失恋するというお話。すべての失恋経験者に刺さる文章があちこちに。

話の終わり
リディア・デイヴィス 著
岸本 佐知子 訳
作品社
★2023年9月14日
文ノ旅朗読団第五夜にて


主人公冬子と物理教師を名乗る中年男三束の喫茶店での会話のシーン。募る思いの宿った言葉のやりとりが愛おしく、その心理、間が見事にリアル。全米批評家協会賞小説部門の最終候補作はなるほどの読み応え。

すべて真夜中の恋人たち
川上 未映子 著
講談社文庫
★2023年7月27日
文ノ旅朗読団第二夜にて

メリーという名の少女の12歳から16歳までの物語。美しく哀しく荘厳なラスト。生とは繰り返される円環。

ローズ メリー ローズ
マリー・ルドネ 著
菊地 有子 訳 
集英社
★2023年8月10日
文ノ旅朗読団第三夜にて

千代と重竜が汽車で越前岬を訪ねる。こたつの中で千代の足首を握る重竜。たたくような撥さばきの三味線の音。逆巻く雪。 昭和を堪能できる名場面。物語は蛍の大群に向けゆっくり歩みを進める。

螢川(「螢川・泥の河」より)
宮本 輝 著
新潮文庫
★2025年2月20日
趣味の朗読会第十五回にて
★2023年8月10日
文ノ旅朗読団第三夜にて


人が生まれ生きることの当たり前に特別な価値を見出す切れ味抜群の良品。

ウィリアム・サローヤン戯曲集/夕空晴れて
ウィリアム・ サローヤン 著
加藤 道夫 訳
早川書房
★2023年7月13日
文ノ旅朗読団第一夜にて
★2023年6月11日
日曜夜の持ち寄り朗読会第238回にて

この世界には幸と不幸があるけど、たとえ不幸にある瞬間でさえ誰もが幸を持ち合わせている。それがさまざまな出来事の細部に宿っていた。ここ数年で屈指の良書。

花の子ども
オイズル・アーヴァ・オウラヴスドッティル 著
神崎 朗子 訳 
早川書房
★2023年7月13日
文ノ旅朗読団第一夜にて

★2022年5月10日
語り合おう集会第3回開催

さまざまな道具の由来を独自の想像力で事典のように解説。嘘八百なんだけど、妙に説得力があり笑える。

道具づくし/あじけ・ふんどし
別役 実 著 
大和書房
★2023年7月27日
文ノ旅朗読団第二夜にて


強権体制国家を皮肉った架空の世界の物語。国民やマスコミも批判の対象だ。大統領気分で演説。その愚かさが笑いを誘う。

短くて恐ろしいフィルの時代
ジョージ・ソンダーズ 著
岸本 佐和子 訳
河出文庫
★2024年3月24日
日曜夜の持ち寄り朗読会第279回にて

「科学者が人類を置き去りにする可能性」を朗読。およそ100年前に書かれ、後のSFにインスピレーションを与えまくった本。科学者、頑張れ。

宇宙・肉体・悪魔 理性的精神の敵について
J・D・バナール 著
鎮目 恭夫 訳
みすず書房
★2024年6月2日
日曜夜の持ち寄り朗読会第289回にて

「川端康成を読む理由がわからん」という貴兄も。女を愛でて止まない「私」の文学。

掌の小説
川端 康成 著
新潮文庫
★2024年9月5日ほか
趣味の朗読会第四回ほかにて
★2024年6月9日ほか
日曜夜の持ち寄り朗読会第290回ほかにて


時代小説の人情モノのルーツがここに?ってなくらいツボが目白押し!

高瀬舟
森 鴎外 著
岩波文庫
★2023年9月24日
日曜夜の持ち寄り朗読会第253回にて

読むうちに登場人物へと心が入り、どんどん陶酔していく自分がわかる。朗読の醍醐味はまずここにあると再確認。川面の水を反射した居室と娘の景色も。

刺青
谷崎 潤一郎 著
新潮文庫
★2023年11月26日
日曜夜の持ち寄り朗読会第262回にて

エロとグロ。そこに雨月物語と谷崎を継ぐ「科学」ともいえる文学の実験がある。

重力の都
中上 健次 著
新潮文庫
★2023年12月3日
日曜夜の持ち寄り朗読会第263回にて


「君が代」の冒頭部分が登場する物語。

御伽草子/さざれ石
市古 貞次 校注
岩波文庫
★2023年9月3日
日曜夜の持ち寄り朗読会第250回にて

彼はどんな話もまず妻セツに読ませ、彼女のものとした上で日本人の伝承として聞き取ったという。現地からのルポのような迫真の恐怖はそこから生まれた。

怪談・奇談/死骸に乗る者、幽霊滝の伝説
ラフカディオ・ハーン 著
田代 三千稔 訳
角川文庫
★2023年9月10日
日曜夜の持ち寄り朗読会第251回にて

55年前彼の予言した”面倒な社会”がいろいろ現実になってきてますよ。

盗賊会社/装置の時代
星 新一 著
講談社文庫
★2023年9月17日
日曜夜の持ち寄り朗読会第252会回にて


実際に起きた事件から人間の正義とは何かを解いた三島の傑作。男におぼれるお嬢様、ご婦人方からも盛んに炎が。

金閣寺
三島 由紀夫 著
新潮文庫
★2023年7月16
日曜夜の持ち寄り朗読会第243回にて

2022年7月5日
語り合おう集会第11回開催

イタリアン!

エロス
アルベルト・ベヴィラックァ 著
河島 英昭 訳
集英社
★2023年7月30日
日曜夜の持ち寄り朗読会第245回にて

主人公の謎解きが二転三転し、最後は大ドンデンガエシ。

陰獣/江戸川乱歩名作集1
江戸川 乱歩 著
春陽文庫
★2023年7月9日
日曜夜の持ち寄り朗読会第242回にて


作家志望の少年が川で蟹の大群と戦い、叙事詩のように語る。絶妙な稚気を洒脱に描く。

ロサンゼルスへの道
ジョン・ファンテ 著
栗原 俊秀 訳
未知谷
★2023年6月18日
日曜夜の持ち寄り朗読会第239回にて

『少女革命 ウテナ 』は「世界を革命せよ」、デミアンは「世界を更新せよ」。

デミアン
ヘルマン・ヘッセ 著
高橋 健二 訳
新潮文庫
★2023年6月25日
日曜夜の持ち寄り朗読会第240回にて

★2023年6月29日
語り合おう集会第33回開催

「架空の世界を創造する秘密結社」「選択ではなくすべてくじ引きの人生」「あらゆる可能性を交差させながら忍び寄る並行宇宙」これらに「なぬっ!?」となった方におすすめ。

伝奇集
J・L・ボルヘス 著
鼓 直 訳 
岩波文庫
★2023年7月2日
日曜夜の持ち寄り朗読会第241回にて

★2022年9月6日
語り合おう集会第18回開催


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